2020年から2年間アルビレックス新潟を指揮したアルベルト・プッチ・オルドネダ監督が2022年シーズンよりFC東京の指揮を執ることが決定しました。
呼び方も「アルベルト監督」から「アルベル監督」へと微修正が入り、心機一転J1での指揮となります。
2年間アルベル監督の指揮するアルビレックス新潟を見てきた私が一体アルベル監督とはどういう人なのかを解説していきたいと思います。
既にYoutubeでは解説していますが、共通して触れているところ、動画でしか触れていないところ、ブログでしか触れていないところなどございますのでぜひYoutubeもチェックしていただけると幸いです。Jリーグネタ多めに更新しています。
■アルベル監督の経歴
大きなところはメッシも在籍していたFCバルセロナのアカデミーダイレクター(育成年代の責任者)を務めていたという点でしょう。
アンスファティや久保建英を見出したとされています。
その後2019年シーズンはアメリカのニューヨークシティのヘッドコーチを務めて、2020年からアルビレックス新潟の監督に就任。
育成年代の経歴が長く、トップチームに関してはニューヨークシティとアルビレックス新潟での経験がメインになります。
■アルベル監督のスタイル
「ボールを愛しなさい」というフレーズに代表されるようにボールポゼッションを重視し、各選手のポジションの正しい取り方が重視されるポジショナルプレーを展開。
監督本人は「攻撃的サッカー」を標榜しているものの、実際は守備がきっちりしています。
また、データ上2021シーズンのアルビレックスが被シュート率がリーグで一番低く、ボールを保持しつづけることで相手のチャンスの回数を減らし、結果的に相手がシュートを打つ回数も減るという形になりやすいです。
一方、被シュート決定率はいささか数値が悪く、シュートを打たれたら決められてしまいやすいピンチの場面が多い、もしくは守備陣の能力が足りていなかったのどちらかになりますが、舞行龍ジェームズと千葉和彦を擁した今季のアルビレックスDF陣はJ2でも上位の能力。GK阿部が成長段階とは言え、相手のチャンスが即決定機になることがデメリットともなります。
システムは4-5-1。通称4-2-3-1と呼ばれるシステムを使用。
左右のサイドバックが中央の高い位置にポジションを取り、サイドハーフがタッチラインぎりぎりまで広がるという偽サイドバック的な役割がサイドバックには求められることが多いです。
攻撃についてはDFラインからのボール回しによる遅攻がメイン。ハイプレスは選手の判断ないし、チームの決め事で時間帯などによって強弱付けたりとそこはまちまち。
今季前半の好調時のアルビはハイプレスがハマり、コンビネーションで崩して得点という場面も多くありましたが、基本的にはパスを回しながら相手のポジションのズレを狙っての縦パスからの連動や、攻撃の選手の個人での突破からのチャンスメイクが多かった印象です。
よってDF、特にセンターバックが縦パスのセンスが無いとうまく機能しません。舞行龍も千葉も縦パスや、斜めのロングボールなど常時供給していました。
■アルベル監督の欠点
スタイルにこだわりすぎる点です。
リアリストな面に欠ける部分があります。
例えば、0-1で負けている場面でロスタイムにパワープレイなどは基本的にしません。
ロスタイムだろうがDFラインからパスを回して遅攻します。
また、得点できないとチャンスは作れているが決定力が無いとして問題の矛先が決定力に行きがちです。
また、審判へのジャッジに対する批判もします。
ここはJ1でVARがある環境に変わるのでそういう場面はなくなるかもしれません。
あとは運、不運を持ち出して結果のレビューをすることがあります。聞いている方はヤキモキするかもしれません。
私も当初は不運で負けたという監督は一生不運で負け続けるだろ…と思っていましたが慣れました。そういうことをインタビューで言う人なんだなと思うしか無いです。結果が悪ければそれまでですし。
■アルベル監督のメリット
スタイルが明確なのでやることははっきりしています。
またFCバルセロナのアカデミーダイレクターをやっていただけあり若手選手の育成は定評があります。
アルビで言えば本間至恩選手の守備面の向上は著しいものがあります。
前線の選手であっても守備は求められる時代になりました。そこの要所はうまく抑えており、選手を導くことはできる方だと認識しています。
■まとめ
アルビレックス新潟の監督時代のインタビューで何度も「資金力のないクラブ」と揶揄することがありました。
FC東京は経営権がミクシィに移り、改革元年として補強なども積極的に行うでしょう。
新潟で物足りなかった「資金力」の部分の言い訳ができなくなるという意味でどういうチームを作るのか楽しみなところです。